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【主張】海自の中東派遣 「日本の船守る」第一歩だ

 政府が海上自衛隊の中東派遣を閣議決定した。河野太郎防衛相は自衛隊に派遣準備を命じた。

 中東情勢の悪化を踏まえ、護衛艦と哨戒機が日本関係船舶の安全確保のための情報収集を行う。不測の事態の際は、海上警備行動を発令して日本関係船舶を保護する。

 日本は原油輸入の約9割を中東地域に依存する。派遣は、日本向けタンカーなどを日本自ら守る努力の第一歩であり、評価したい。「自国の船は自国が守る」のは当然のことだ。

 平成3年の掃海艇のペルシャ湾派遣以来、多くの自衛隊の海外派遣があった。これらは国際貢献が主な目的だった。今回の派遣は国益を守ることを第一義的な目的とする点が特徴だ。

 護衛艦は来年2月上旬に日本を出航し、哨戒機は1月下旬に現地で活動を開始する見通しだ。万全の準備を整えて臨んでほしい。

 派遣の背景として、今年6月にホルムズ海峡周辺で、日本の海運会社が運航するタンカー(パナマ船籍)が何者かに攻撃された事件がある。さらに、トランプ米大統領が、日本や中国に自国船を自ら守るよう促したことがある。

 日本は、同盟国米国が主導する「海洋安全保障イニシアチブ」(有志連合)などの枠組みには参加しない。米国と対立するイランとも友好関係にあり、双方に配慮した。そうであっても米軍との情報共有、連携は極めて重要だ。

 総合的に考えれば派遣は妥当だが課題もある。対象海域から、航行が集中するペルシャ湾とホルムズ海峡を外してしまった。領海が多く、そこで情報収集活動をすれば、航行の条件である無害通航でなくなるからだという。沿岸国から許可を得る努力をしたのか。

 また政府は、海上警備行動を発令しても、自衛隊が武器を使って守れるのは国際法上、日本籍船だけだとしている。

 日本人が乗船していたり、日本の会社が運航したり、日本向けの重要な積み荷を輸送中の外国籍船も「日本関係船舶」として保護の対象に含むが、自衛隊は武器を使用せずに守るしかないという。

 そのような国際法または法解釈は国益と人道に反し、おかしい。必ず武器使用するわけではないが、使わないと守れない場面に遭遇したら見殺しにするのか。安倍晋三首相や防衛省は現場指揮官に負担を押しつけてはならない。

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