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【朝晴れエッセー】お別れフェリー・12月26日

 12月にしては朝から暖かな日に娘3人が、お別れのフェリーに連れて行ってくれた。

 出港1時間半前に宇野港に着いたが、すでに数台の車が並んでいた。

 出港が近づいてくると、大勢の人で小さな待合室もいっぱいになり、乗船のために行列ができた。

 香川は主人の実家もあり、年に数回は利用していたが、7年前、主人が亡くなり、父母も亡くなったいまでは、フェリーに乗ることはほとんどなくなった。

 子供の頃から、海を見て育ち、フェリーのある風景は当たり前だった。瀬戸大橋ができてからは時代の流れには逆らえず、橋ができる前は28分ごとの運航が、1日5便にまで少なくなった。それでも赤字は続き、109年の歴史に幕がおり、15日の夕方の便を最後になくなった。

 橋との共存は不可能になった。

 最後の思い出に主人の写真と一緒に1時間の船旅。並んで買った船内でのさぬきうどんは、いままでになくおいしく、少しさみしい味がした。

 皆、思いは同じなのか、首にカメラをぶら下げた人もいる。

 デッキに出て海を眺めた。

 遠くに瀬戸大橋も見える。懐かしい島々。瀬戸内の海は穏やかだった。

 娘たちに感謝。四国フェリーさん、いままでありがとう。

松原幸枝 74 岡山市南区

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