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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】賢者の贈り物・12月25日

 先日の結婚記念日に、夫に「どんな夫婦になりたかった?」とわざと過去形で聞いてみた。夫はとまどって、何も思いつかないようだった。なぜ過去形で聞いたかというと、テレビで見た芸能人のように、結婚する前に、自分自身の考え方や日常生活をしていく上でのルールをよく話し合っておけばよかったと、事あるごとに思うからだ。

 私の好きなアメリカの小説家、オー・ヘンリーが書いた「賢者の贈り物」という物語がある。貧しい若い夫婦がクリスマスに相手を喜ばそうと、妻は自慢の美しい髪を売り、夫に懐中時計の鎖を買う。それを知らない夫は、祖父、父から受け継いだ大切なその時計を質に入れ、妻の髪飾りを手に入れる。思いやり溢(あふ)れる2人は私の理想の夫婦像である。

 ところが、それをわが夫に話すと、その話はおっちょこちょいの夫婦の喜劇だと思っていた、という。感動の物語へのなんたる無礼!と不快な気持ちを言葉にして返すと、夫は英語の先生からそう習ったとのたまう。英語の教科書にものっていた名作だ。私はあきれて話を続ける気もなくなった。

 しばらくすると、可笑(おか)しくなってきた。朗らかな夫らしい解釈だと思った。どんなことも面白くとらえて笑いとばせば、毎日楽しく暮らせていけそうな気がしてきた。

 ともあれ、例の本は急いで図書館で借りてこよう。夫に和訳版を読んでもらおう。

助嶋 公子 46 兵庫県洲本市

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