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【一筆多論】文教政策の「失敗学」 沢辺隆雄

英語民間試験延期を発表する萩生田光一文科相=11月1日、東京・霞が関の文科省(古厩正樹撮影)
英語民間試験延期を発表する萩生田光一文科相=11月1日、東京・霞が関の文科省(古厩正樹撮影)

 「私、失敗しないので」(「ドクターX」)もあれば、「私、失敗しちゃった」(「ミス・ジコチョー」)も。外科医や事故調査委員の教授ら、テレビドラマの主人公は決めぜりふをはいて解決する。「失敗」はキーワードだが、文部科学省は「また、失敗しちゃった」と笑ってはいられない。未来を担う子供たちのためにも、ここは失敗に真剣に学び、今後に生かしたい。

 英語の入試を例に考えてみたい。英語のコミュニケーション能力を高めるため、大学入試センター試験に代わる共通テストで民間検定試験を利用しようとして失敗した。

 実はこうした失敗は、日本だけではなかった。「英語試験改革はいろいろな国で試しているがうまくいっていない」と、英国の公的国際文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」の英語教育専門家は指摘する。

 日本よりも英語教育が熱心とみられている韓国でも、李明博政権時代に国家英語能力評価試験(NEAT)が計画されたが、頓挫した例などがある。

 ブリティッシュ・カウンシルの主催で、今月7~9日、英語教育・評価をテーマにした国際会議「New Directions 2019」が横浜市で開かれた。各国・地域の英語教育の専門家や政策立案者らが参加し、今年で7回目の開催だ。とくに英語力をどう評価するかは、世界的関心事なのだという。

 会議に先立ち説明してくれたブリティッシュ・カウンシル英語アセスメント研究部門主席のバリー・オサリバン教授と、英語教育評価コンサルタントのゴードン・アラン氏は、「試験だけ変えても教育システムが変わらないと、いい結果が得られない」などと指摘。カリキュラムと指導力、そして理解力を測るための評価を一体的にバランスよく進める必要性を強調した。

 他国でもスピーキング(話す)に偏って文法が疎(おろそ)かにされ、英語力が定着しなかった例があるという。日本では文法や語彙力に偏っていた教育を変えようとしているが、文法・語彙の指導を怠れば、英語力が低下する懸念がある。

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