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【主張】IR参入疑惑 中国資本の介入解明せよ

 東京地検特捜部が外為法違反事件に絡み、自民党の秋元司衆院議員の事務所などを家宅捜索した。すでに秋元氏本人や元秘書も任意で事情聴取しているとされる。

 日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業への参入を目指す中国企業の日本法人元役員らが、多額の現金を無届けで国内に持ち込んだ疑いがある。特捜部は、不正に持ち込まれた資金と秋元氏との関連を慎重に調べている。

 IR、特にカジノの解禁に対しては、国内の賛否はこれまでも大きく分かれてきた。経済効果への期待がある一方で、ギャンブル依存症への不安は大きい。

 反社会的勢力の介入も懸念材料だったはずだが、不正を伴う中国企業の参入工作が事実であれば、極めて深刻な問題である。

 中国資本の参入については、かねて北海道などで、防衛拠点の周辺や水源地のある森林などが相次いで買収され、国会でも問題視されてきた。IRへの参入も、中国資本による侵食と同じ文脈で警戒を強めるべきだろう。徹底した捜査で事件の全体の構図を明らかにしてほしい。

 秋元氏は平成28年の臨時国会で衆院内閣委員長としてIR推進法の成立に関わった。29年8月から30年10月までは内閣府副大臣でIRを担当し、観光施策を所管する国土交通省の副大臣も兼務していた。与党、政府においてIR事業を推進する立場にあった。

 中国企業は広東省深セン市に本社を置き、オンラインカジノやスポーツくじなどの事業を手掛けている。29年8月に中国企業が那覇市で開いたIRに関するシンポジウムでは、秋元氏が基調講演を行った。30年1月には、北海道留寿都村でリゾートを展開する札幌市の観光会社が、この中国企業の投資を受けてのIR誘致を計画していると明らかにした。

 これらの経緯から浮かび上がるのは、中国資本が日本のIR事業参入に向けて、周到に準備を進めてきた姿である。そこに不正があったなら、カジノ解禁を含む事業への期待は、急速にしぼむことになるだろう。

 安倍晋三首相は「IRは成長戦略の目玉になる」と述べて自民党、政府が一体となってIR推進法、IR実施法の成立などを進めてきた。疑惑の解明なしには一歩も前に進めない。

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