PR

ニュース コラム

【ロンドンの甃】「大嘘つき」の勝利

ジョンソン首相=13日、ロンドン(ロイター)
ジョンソン首相=13日、ロンドン(ロイター)

 「このバスのそばに、大嘘つきがいますよ」。英総選挙の選挙活動が終盤戦に入った今月初旬。ロンドンの首相官邸付近を走るバスの車体に施された広告の文章に目を奪われた。

 英メディアで確認すると、これはファストフードチェーンの広告で「大嘘つき」とはジョンソン首相を指していたらしい。嘘の内容は、欧州連合(EU)離脱が決まった2016年の国民投票にさかのぼる。

 離脱を訴えていたジョンソン氏らは国民投票前、離脱で浮くEUへの拠出金週3億5千万ポンド(約500億円)を国営医療制度「NHS」の財源に充てると訴えていたが、実際は1億数千万ポンドだと判明した。ジョンソン氏らが当時、全国を遊説したバスの側面に、その「嘘の公約」が堂々と書かれていたことは有名だ。

 現地メディアで働く知り合いが「ファストフードチェーンはバスの広告を使うことで、ジョンソン氏が16年に嘘をついたことを揶揄(やゆ)している」と教えてくれた。同チェーンが残留派に協力した真意は不明だが、英国で、企業が選挙期間中に政治家を皮肉る広告を出すのは珍しくないという。

 ただ、総選挙は「大嘘つき」と呼ばれた男が圧勝した。早期の離脱を欲していた有権者は、ジョンソン氏の過去の失敗など全く目に入らなかったようだ。(板東和正)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ