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【主張】かんぽ不正販売 経営責任を曖昧にするな

 調べれば調べるほど増え続ける不正の実態に絶句するほかない。

 かんぽ生命保険の不適切販売問題をめぐり、日本郵政グループの特別調査委員会が、法令や社内規定の違反が疑われる契約が1万3千件近く見つかったとする報告書を公表した。9月の中間報告と比べて倍増である。

 異常なほど多い不適切販売の蔓延(まんえん)が物語るのは、当たり前の法令順守意識さえ失った組織の病理の根深さである。もっとも、より深刻なのは、不正に対する経営陣の感度の鈍さといえないか。

 グループを統括する日本郵政の長門正貢社長は記者会見で自らの経営責任を問われ、「しかるべきタイミングで改めて発表する」と述べたが、進退については明確にしなかった。

 金融庁は近く、かんぽ生命と日本郵便への業務停止命令を出すことを検討しており、日本郵政にも行政処分を出すとみられている。総務省も同様の構えである。

 ここまで厳しい状況に置かれているのだ。郵政グループの経営陣は、もはや責任を曖昧にしたままでは、この事態を乗り切ることができないと認識すべきである。

 報告書によると、顧客に虚偽説明をするなどの法令違反が確認されたのは48件、社内規定違反を含めると計670件にのぼる。達成困難な営業目標が不正の背景にあり、社内に不適正募集を黙認する風潮があったと指摘している。

 経営体制が問われるのは、不正を防ぐためのガバナンス(企業統治)を徹底できなかったためだけではない。問題を把握してもその重大性を十分に認識できず、対応が後手に回る。そんな場面が何度もあったことを見過ごすわけにはいかない。

 4月にかんぽ生命の株式を売却した時点で事案を把握していたのに公表に至らなかった。報道が過熱した夏以降は、顧客の信頼回復どころか、不正調査も十分になされていないのに販売再開の時期を設定し、それを延期するということを繰り返した。来年1月まで先延ばしした再開時期は、3度目の延期となる可能性がある。

 こうした対応が事態をさらに混乱させ、顧客の不信感を増幅させていることを経営陣は重く受け止めなければならない。経営責任を明確にした上で再発防止策を徹底する。それが出直しの大前提だということを銘記すべきである。

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