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【主張】「記述式」見送り 責任ごまかしては0点だ

 大学入試センター試験に代わる共通テストについて、萩生田光一文部科学相が国語と数学の記述式問題の導入見送りを発表した。「安心して受験できる体制を早急に整えることは困難」などと理由を述べたが、その判断自体が遅すぎた。

 記述式は各大学の個別試験に任せればよい。入試改悪を早急にやめるべきだ。

 この混乱について説明せよ-。まず受験生はじめ国民の多くが抱く問いに答えねばならない。

 萩生田氏は会見で「過去の大臣はそれなりにきちんと責任を果たしていただいた」「現時点では私が責任者なので、私の責任でしっかり立て直しをしたい」などと述べた。これが先の問いの答えなら、点数は与えられない。

 英語の民間試験利用の延期に続く文科省の政策失敗である。

 数十万人規模が受験する共通テストでの記述式導入に無理があるのは分かっていたことだ。共通テストを実施する大学入試センターでは採点が間に合わないため民間に委託する方式にした。この民間任せが、公正に採点できるのかという不信感を増幅させた。

 学校現場などから課題の指摘があったのに、「入試改革」ありきで小手先の変更で迷走させた。教育行政全体に不信をもたらすものだ。入試改革を推進してきた歴代文科相と文科官僚らの責任を明確に認めなくては次に進めない。

 文科相のもとに検討会議を設置し、大学入試での記述式充実の方策を話し合うという。これまで何度も会議を開いて入試改革を決めたのではなかったか。猫の目のように変わる入試制度では受験生も安心して勉強できない。

 新共通テストの記述式は、無理に導入しようとしたため、国語の試行テストを例にしても中途半端な内容にとどまっていた。

 記述式の採点は大学生らアルバイトなどが、マニュアルに沿って行うことが想定されていた。その対策に偏ったマニュアル人間をつくるような受験勉強になりかねず、論理的思考力をみる本来の目的とは遠いものになっていた。

 入試は共通テストに全てを求めず、各大学が責任を持って実施するのが本筋である。同時に入試に理想を求めすぎる発想も変えた方がいい。真剣に考えるべきは、大学で何を教えるか、しっかり教えられるのか、という教育内容の充実である。

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