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【ポトマック通信】温かなひとこと

 ワシントンでも気温が氷点下となる日々が始まった。今年1月に温暖なロサンゼルスから異動してきて2度目の冬だが、分厚いコートにマフラー、手袋、毛糸の帽子と厳重な対策をしても防ぎきれない寒さに慣れないでいる。

 米国人は暑がりで寒さは平気なのか、取材で訪れる建物は概して寒く、半袖姿の人もちらほらと見かける。通勤の地下鉄では暖房ではなく冷房(?)がかかっていることもあり、少しでも早く体を温めようと、電車を降りると、つい急ぎ足で職場の事務所を目指すことになる。

 最寄り駅のすぐそばで、いつもあいさつの言葉を掛けてくれる高齢の女性ホームレスがいる。「グッドモーニング、素晴らしい月曜日を!」などと先を急ぐ人々に笑顔を振りまき、夜も遅くまで体を縮こまらせながら「また明日、お休みなさい」と声を掛け続ける。

 時折紙幣を渡すことがあるが、彼女は施しの有無に関係なくあいさつしているようで、中には顔なじみなのか、長話をしている通行人をみかける。私も次第に歩みを緩めては、あいさつを交わすようになった。

 ほんのひとことだが、おかげで日々の始まりと終わりが温かい気持ちで包まれる。寒さに反比例するように、彼女からのあいさつが心にしみる。(住井亨介)

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