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【日曜に書く】論説委員・井伊重之 強欲経営者は改心したのか

弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=3月6日午後、東京都千代田区(古厩正樹撮影)
弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=3月6日午後、東京都千代田区(古厩正樹撮影)

 今年のビジネスシーンで大きな話題を集めた動きとして、米経済界における「株主第一主義の修正」が挙げられる。米国の主要経営者で組織する「ビジネス・ラウンドテーブル」が今年8月、株主以外の幅広い利害関係者に配慮した経営の重要性を訴えた。

 著名な経営者ら181人が署名した声明によると、「企業の目的を再定義する」として顧客への価値提供や従業員に対する投資、地域社会への支援など5項目を列挙した。その最後に株主への長期的価値の提供を掲げ、従来の株主重視の経営を見直す姿勢を示した。

 ◆「株主偏重」からの転換

 これが本当なら「株主偏重」だった米国経営の大きな転換を意味する。利益の追求を優先し、株主に対して高い配当を提供しながら経営者自身も高額な報酬を得る。そんな米国式経営が変化する動きと受け止める向きもある。だが、果たして本当に強欲な経営者たちは改心したのだろうか。

 今回の声明に対し、米国では「たとえ株主第一主義を見直しても、経営者自身の高額報酬を改革しなければ意味はない」との批判も根強い。確かに声明には、経営者による高額報酬の見直しなどは一言も盛り込まれていない。

 ラウンドテーブルの会長を務める金融大手、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の昨年の報酬は約3千万ドルを超えた。なかには1年で5千万ドル以上を手にした経営者も名を連ねている。

 米コンサルティング会社、ウイリス・タワーズワトソンの日米欧CEO報酬比較によると、売上高が1兆円以上の大手企業のCEO報酬は、米国の中央値が14・8億円なのに対し、ドイツは7・4億円、英国では6・1億円だった。ちなみに日本は各国よりもずっと少なく1・6億円である。

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