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【直球&曲球】中江有里 周囲の頼れる人を見つけて

 子供が忽然(こつぜん)といなくなる、そうした事件が続けざまに起きた。未解決の件もあるが、1人は自宅から遠く離れたところで保護され、別の場所で行方不明になっていた子が一緒にいたことが発覚した。

 この一件で大きく報道されたのが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って容疑者が被害児童を呼び出したことだろう。SNSが未成年の家出のツールとしても利用されている実態が浮き彫りになった。

 実際に「家出」と検索すると、家出希望の書き込みはあるし、その応答には家出後の居場所提供、迎えの有無など、家出の当事者が読めば一見、親身にも感じられる書き込みがされている。思春期に家を出たくなる、というのは私自身も経験がある。当時はSNSがなかった。結局行く先が見つからなかったから、家に帰るしかなかった。

 ここまで書くと、SNSが家出を助長しているように思われるかもしれないが、SNSは、あくまでプラットフォーム。直接の知り合いでなくとも、やり取りができる便利な代物だ。

 しかしSNSというコミュニケーションツールを悪用しようとする者も紛れ込んできている。こうなると使う側の危機管理が重要となる。たとえば運転技術や交通ルールを学び、国が定めた試験を合格すれば免許が交付される。SNSの場合は緩いルールはあっても、冒頭の事件のように悪意を持って利用しようとする輩(やから)は残念ながら存在する。SNS側も年齢制限を設けたり、フィルタリング(選別)機能も高まってきているが、それでも完璧ではない。

 子供が出ていきたくなる家の問題、というのは簡単だが、家の問題は家の数だけあるから軽々には答えが出ない。個人的に思うのは、最終的にいくつあっても自分の身を守るのは自分であるということ。どんなにつらくても自死を選ばず、自分の居場所を求めて家出をしようというのは、生きる意欲があるともいえる。

 ならばSNS上の素性の分からない人ではなく、住まいや学校など周囲の頼れる人を見つけて相談してほしい。

【プロフィル】中江有里

 なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」に出演中。文化審議会委員。

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