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【ポトマック通信】お寒い米国の鉄道事情 

 久しぶりにロンドンに出張した。改めて感銘を受けたのが、市内の隅々まで網羅する地下鉄の充実ぶりだ。作家の故阿川弘之氏の紀行エッセーの傑作「南蛮阿房列車」を引くまでもなく、英国は紛れもなく近代旅客鉄道の発祥の地なのだと思い知らされた。

 翻って、わがワシントンの鉄道事情である。市内に地下鉄はあるものの、遅延や運休は日常茶飯事。何より、路線網が限られているので、どこでも地下鉄一本で行ける状況には程遠い。

 都市間を結ぶ鉄道になると、状況はさらに厳しい。ワシントンからニューヨーク市に行く場合、全米鉄道旅客公社(アムトラック)での所要時間は約3時間~3時間半。似たような距離の東京-名古屋間ならば新幹線「のぞみ」を使えば約1時間40分で着く。

 こうした状況を改善しようと、ワシントン-ニューヨーク間を軸とする「北東回廊」にJR東海の「超電導リニアシステム」(時速500キロ)を導入する取り組みも進められているが、実現までにはしばらく時間がかかりそうだ。

 米国は車社会。そう言ってしまえばそれまでだが、採算さえ合えば米国でも鉄道の潜在需要は大きいはずだ。昨今の日本での鉄道ブームはいささか過熱気味だが、米国では逆に、もう少し鉄道が注目されていいと思うのだ。(黒瀬悦成)

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