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【主張】デジタル課税 国際的な枠組みで対応を

 フランスが導入したデジタル課税に対し、米国政府が「米企業を狙い撃ちにした」と反発し、仏産品に報復関税を発動すると表明した。

 インターネットを通じてサービスなどを提供するIT企業への課税は、経済協力開発機構(OECD)が世界的な課税の枠組みづくりを進めている。だが、こうした企業に独自に課税を試みる国も増えている。

 フランスもOECDに先行して課税に踏み切ったが、米アマゾンなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業を抱える米国との対立が激化すれば、国際的な枠組みが構築できなくなる恐れもある。

 ネットサービスの急成長を背景に、世界各国が米IT大手に、より多くの税金を払わせたいと考えている。ただ、独自課税の動きが強まれば、米政府が反発を強めるのは必至だ。適正な課税を促すには国際的な協調が欠かせない。

 仏政府は今年7月、巨大なIT企業に課税するデジタルサービス税を導入した。同国内でのネット事業売上高の3%に課税するという内容だ。課税対象となる27社のうち米企業が17社を占め、仏企業は1社にとどまる。

 これに対して米トランプ政権が表明した報復措置は、仏製品63品目に約2600億円の制裁関税を課すものだ。この中にはスパークリングワインやチーズ、ハンドバッグなど米国内で競争力を持つ仏製品が含まれている。

 仏政府は米の報復関税が実際に発動された場合、対抗措置を講じる構えだ。その一方、OECDでデジタル課税のルールが導入されれば今回の独自課税を撤回する方針である。米仏の報復合戦に発展させないよう、OECDによるルールづくりを急ぐ必要がある。

 今年10月に示されたOECDのルール案は、消費者向けの国際事業を展開し、一定の売上高や利益率を超える企業に対しては、物理的な拠点がない国でも利益の一部に課税するという仕組みだ。ただし、課税対象となる企業や所得の線引きはまだ検討段階である。

 米国を含むOECD各国は来年中の最終合意を目指すが、導入が遅れれば、さらに多くの国が独自課税に動く可能性がある。すでに英国やイタリアも独自課税を打ち出しており、フランスと同様に米国との軋轢(あつれき)が生じれば新たなルールも分解しかねない。関係国はその回避に全力を挙げてほしい。

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