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【主張】危険な運転 「厳罰化」を根絶の契機に

 スマートフォンなどを使用しながら車を走行させる「ながら運転」について、違反点数と反則金を引き上げ、懲役刑も重くするなど厳罰化した改正道交法が今月、施行された。警察庁は「あおり運転」についても新たに罰則を創設する方針だ。これを危険な運転を根絶する契機としたい。

 改正法は運転中の携帯電話の通話や画面などを注視する違反「携帯電話使用等(保持)」の点数を1点から3点に、反則金は普通車で6千円から1万8千円に引き上げた。違反を繰り返すと「6月以下の懲役」などの罰則が適用される可能性がある。

 通話や注視により交通の危険を生じさせる「携帯電話使用等(交通の危険)」は免許停止となる6点となり、直ちに刑事手続きの対象となる。罰則は「1年以下の懲役」などに引き上げられた。

 ながら運転による重大事故が相次ぎ、遺族らが罰則強化を求めていた。平成28年には愛知県一宮市で小学4年の9歳男児がスマホのゲームをしながら運転していたトラックにはねられて死亡した。父親は「ながら運転は殺人行為だ」と訴えていた。

 重大事故を受けての法改正はいかにも泥縄式だが、厳罰化は十分に社会変革の契機として期待できる。飲酒運転事故件数の減少がその好例である。30年の交通事故死亡者数は3532人で統計の残る昭和23年以降最少となった。飲酒運転事故の犠牲者が平成12年の1276人から198人に減少したことが大きな要因だ。

 この間、危険運転致死傷罪の新設や道交法の改正で飲酒運転の厳罰化が進められてきた。後押ししたのは、東名高速道路で飲酒運転のトラックとの衝突で幼児2人が死亡した事故や、福岡市内で飲酒運転の車の追突で海中に転落、幼児3人が死亡した事故などに対する遺族と社会の怒りである。

 厳罰化だけの効果ではない。厳罰化を契機に、飲酒運転への目が厳しくなった社会の変革が事故を減らしたのだといえる。

 ながら運転や、あおり行為の厳罰化にも同じ効果を求めたい。危険は「歩きスマホ」や、イヤホンで大音量を聴きながらの自転車運転や歩行も同様である。

 あおり運転については法務省も自動車運転処罰法の改正を検討している。道路の安全を守るため、あらゆる手を尽くしたい。

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