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【赤の広場で】DVはロシアの伝統か

 先日、帰宅途中の路上で、若い男性が同年代の女性を怒鳴り散らしている光景に出くわした。横目で見ていると、突然、男性が女性を強く平手打ちした。女性は泣き叫び、通行人が割って入って男性を諭していたが、男性は女性に激しい言葉を浴びせ続けていた。

 ロシアでは「女は殴られることで男の愛を感じる」という趣旨の格言があるほど、男性中心の価値観が根強い。2017年には家庭内暴力(DV)の罰則が一部軽減された。露紙は先月、国連の統計などを基に、ロシアでは年間1万~1万4千人(!)の女性が家族の手で殺害されていると伝えた。

 国連など国際社会はロシアに女性の人権状況を改善するよう求めているが、露政府は最近、「ロシアのDVは大きな問題ではない。問題が誇張されている」と反論。リベラル派議員らがDVから女性を守る法案を準備していることに対しても、保守派の議員や市民団体が「伝統的価値観の破壊につながる」と反発するなど、状況の改善は当面、期待薄だ。

 ただ、地下鉄で女性に席を譲ったり、階段で老婦人の荷物を肩代わりして運んだりする若い男性を見かけることも多い。ロシアの若者の価値観は欧米化しつつあるといわれ、この傾向が将来的な状況改善につながることを願う。(小野田雄一)

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