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【主張】経済対策 効果を吟味し具体化図れ

 政府が自然災害や景気の下振れリスクなどに備えるための経済対策を閣議決定した。事業規模は約26兆円で、13・2兆円の財政措置を講じる。平成28年の経済対策(約28兆円)に匹敵する大規模な対策である。

 安倍晋三首相は「令和最初の経済対策にふさわしい力強い政策パッケージ」と語った。これにより実質国内総生産(GDP)が1・4%ほど高まるという触れ込みだ。

 台風19号など深刻な被害をもたらす異常気象が頻発し、防災や減災の取り組みは急務である。米中摩擦などで海外経済が悪化する懸念はなお強く、企業業績にも負の影響を及ぼしつつある。

 だから積極的な財政出動が必要と判断したのだろうが、重要なのは、いかに対策の効果を高められるかだ。予算のばらまきに終わらせず、災害や景気低迷を乗り越えられる強い経済を実現したい。そのためにも個々の施策の費用対効果を厳しく吟味し、対策の具体化を図らなければならない。

 経済対策には、堤防強化など治水のための公共事業が重点的に盛り込まれたほか、就職氷河期世代の支援策や、第5世代(5G)移動通信システムの普及後を見据えた基盤強化なども入った。

 当面の景気をてこ入れするだけでなく、東京五輪後を見据えて経済活力を維持する狙いもあり、国の支出は令和元年度補正予算と2年度当初予算で手当てする。

 国民の安全を守るため緊急性の高い災害対策に万全を期すのは当然である。景気への目配りも必要だ。ただ、大規模な財政出動が必要なほど経済が悪化しているかどうかは冷静にみておきたい。

 消費税増税に台風の影響が重なり、10月の消費支出は5%以上も落ち込んだ。これが長引くようでは経済が失速しかねないが、今も政府が「景気は緩やかに回復している」という判断を維持していることを忘れてはならない。

 安倍首相が対策の策定を指示した後、与党から10兆円規模の財政出動を求める声が相次いだ。その結果、まず金額ありきの対策になったことは否定できまい。

 中小企業支援や地方創生関連などでは各省庁が似たような狙いの施策を盛り込んだ。対策の名を借りて不急の施策をもぐり込ませたのなら、水ぶくれといわれても仕方がない。その点を政府は厳しく認識しておくべきである。

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