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【主張】日米貿易協定承認 真の「互恵」を迫り続けよ

 日米の貿易協定とデジタル貿易協定が国会で承認された。実質的な交渉入りから半年足らずで妥結し、間髪を入れずに国会の手続きも終えた。来年1月に発効する異例のスピードだ。

 日本は主に牛・豚肉などの農畜産物分野で、米国は産業機械や化学品などの工業製品中心に関税を撤廃・削減する。トランプ政権に翻弄されてきた対米貿易の不確実性が減じた意味は大きい。

 米国産品が安価に手に入るようになれば、消費者にも恩恵をもたらそう。国内農業の競争力強化に万全を尽くしつつ、自由貿易拡大へと確実につなぎたい。

 日本はすでに、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定を発効させた。米国のTPP離脱が原因とはいえ、本来、主たる貿易相手国であり同盟国である米国との通商協定がないのはおかしい。

 今回の協定は、日米間の通商基盤を再構築するための第一歩である。残された課題もあり、来年以降に見込まれる新たな交渉でサービス分野を含めた真の互恵関係を築けるかが問われよう。

 日本が交渉を急いだのは、日本車への追加関税をちらつかせるなど、保護主義的に振る舞うトランプ政権との摩擦を避けるためだった。その分、日本の得た成果が不十分だったことは否めない。

 日本の最大の輸出品である自動車・同部品について、米国の関税撤廃が継続協議となったのが典型だ。茂木敏充外相は国会で「撤廃が前提だ」と説明したが、実現への具体的道筋は見えない。

 政府は、今回の協定による国内総生産(GDP)の押し上げ効果を0・8%とする試算を公表したが、これは自動車関税の撤廃を見込んだ数字である。ならばなおのこと、強い姿勢で迅速な撤廃を米国に迫るべきである。

 デジタル貿易協定にも注目したい。デジタル経済を促進するため日米が構築した新たなルールである。協定には、国が企業に暗号開示を求めないなど、TPP以上の先進的な内容が盛り込まれた。

 見逃せないのは、企業が活動しやすい環境を整えるという目的と同時に、電子データを自国内で囲い込もうとする中国のデジタル保護主義を牽制(けんせい)する意味合いがあることだ。この協定が国際標準となるよう日米が連携して国際社会に働きかけることが重要だ。

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