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【ソロモンの頭巾】マリンプラスチック 外洋ヨットレースで調査協力 長辻象平

マイクロプラスチック採集装置を積むレーシングヨット「トレッキー」(新田肇さん提供)
マイクロプラスチック採集装置を積むレーシングヨット「トレッキー」(新田肇さん提供)
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不明プラの行方

 千葉さんによると世界には、海流で運ばれたプラスチックごみが集まる「5大集積海域」の存在が知られているという。

 実は、このほかにもう1カ所、集積エリアと推定される海域があるのだが、未調査域となっている。

 その場所こそが、日本列島に近い北太平洋西部海域なのだ。

 日本とパラオを結ぶヨットレースは、これまで研究の手がほとんど及んでいない、この第6のプラごみ集積予想海域の西端付近を北から南に通過する。科学調査の観点からも有意義なコースを南下するわけだ。

 これまでの海洋プラスチックの調査では、海にあるべき量の1%しか確認できないという不思議な現実が研究者を悩ませている。

 99%がどこに消えたか分からないままなのだ。

 今回の通過海域が行方不明の「ミッシングプラスチック」のたまり場と判明すれば大発見だ。

市民サイエンス

 同じドイツ製のマイクロプラスチック採集装置は、17~18年に行われたヨットによる世界一周のボルボオーシャンレースでも使われている。

 日本で使用するのは今回が初めての試みだが、同じ装置を用いるのは、測定データ間に共通性を持たせるためだ。

 愛艇に装置を積む新田さんは「レース中に行うマイクロプラスチックの採集が、少しでも海洋環境の実態解明に役立てば」と話してくれた。

一円硬貨に載せたマイクロプラスチック(中嶋亮太さん提供)
一円硬貨に載せたマイクロプラスチック(中嶋亮太さん提供)
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 パラオでは来年8月に世界的な海洋会議が計画されており、今回の活動も報告されることになる。

 プラスチックは国を超えて世界の海に広がっていく。「その振る舞いを知るには、研究者の国際的なネットワークに加えて、民間の船舶や外洋ヨットなどのボランティア的な参加が重要になってきます」と千葉さんは語る。

 大海原を漂うマリンプラスチックを探りつつ波頭を切る日本-パラオ親善ヨットレースは、新たな市民サイエンスの好例だ。

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