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【主張】国際学力調査 情報に溺れない読解力を

 先進諸国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査で、日本の生徒の読解力低下が顕著に出た。憂慮される結果である。広く課題を探り、教育を見直す機会としたい。

 義務教育修了段階の15歳を対象にした学習到達度調査(略称PISA)で3年ごとに行われている。日本は高校1年生が参加し、数学、科学、読解力の3分野が試されている。調査に参加した79カ国・地域中で、日本は数学は6位、科学は5位とトップクラスを維持した。しかし、読解力は15位と落ち込んだ。

 この調査の読解力は、文章や図表など資料から情報を読み取る論理的思考力が問われる。もともと日本の生徒の弱点だった。

 さらに前回からはコンピューターを操作して回答する形式になった。出題例では、ある島を調査した大学教授のブログや科学雑誌の記事など複数のサイトの資料を見ながら問いに答える。インターネット上の投稿など多様な情報を吟味し活用する力、いわばデジタル読解力を試すねらいがある。

 日本は、事実と意見を見分ける問題のほか、情報の信憑(しんぴょう)性を見極め、どう対処するか根拠を示して記述する問題で、特に正答率が低い傾向が出た。

 こうした出題形式に慣れていない面もあるが、学校でパソコンやネット環境の普及が遅れていることに原因を求めるのは早計だ。

 読解力は学校の授業だけではなく、人の話をよく聞き考えを述べるなど、日頃のコミュニケーションを含めて培われる。それを忘れてネットの海に漕(こ)ぎ出すようでは危険極まりない。

 調査では、本や新聞をよく読む生徒の方が読解力の得点が高い結果が出た。一方で新聞を「月に数回」「週に数回」読むと答えた日本の生徒は21・5%で、約10年前と比べて36ポイントも減った。

 学校外でのIT(情報技術)機器の活用に関しても、日本の生徒は短文で雑談するチャットやゲームに偏っている傾向もある。

 好成績が目立ったエストニアはIT先進国といわれるが、教員研修など教育の質を高める陰の努力も見逃せない。調査では教員に熱意を感じる生徒の割合が高い。

 読解力は他の教科の土台であるばかりではなく、社会で生活する力そのものと言っていい。日本の弱点克服は喫緊の課題だ。

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