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【宮家邦彦のWorld Watch】GSOMIA延長は戦略的か

会談を前に握手する茂木敏充外相(右)と韓国の康京和外相=23日、名古屋市(代表撮影)
会談を前に握手する茂木敏充外相(右)と韓国の康京和外相=23日、名古屋市(代表撮影)

 22日夕刻、韓国政府が土壇場で決断した。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))を「条件付き延長」すると当初は報じられた。その後は「失効回避」「終了猶予」「破棄凍結」とも表現された。正確には同協定の「対日終了通告の効力を条件付きで停止する」のだそうだ。この舌をかみそうな表現からも韓国政府の苦難が見えてくる。

 安倍晋三首相は、「北朝鮮への対応のために…韓国も戦略的観点から判断したのだろう」などと述べた。「親韓派暗躍も『一切妥協なし』の姿勢崩さず完勝」「韓国の外交的自爆」などと報じたメディアもあったが、果たしてそうだろうか。

 さらに、決断翌日の本邦英字紙はこの「大ニュース」を1面トップで報じたが、同日の欧米主要紙はどれもほとんど扱っていない。日韓国民と米国アジア専門家を除けばあまり関心はないのだろうか。もちろん、本稿の目的は揚げ足取りではない。今回は韓国の決定を正確に理解すべく筆者の見立てを書こう。

 ◆決定的な米の圧力

 一部では日本の毅然(きぜん)たる態度が功を奏したとする向きもあるが、今回の交渉で決定的だったのはやはり米国の圧力だろう。日韓GSOMIAは日米韓が有事に軍事協力するため不可欠だ。米国が関与しなければ韓国が譲歩する可能性は極めて低かっただろう。

 日韓合意に米国が関与するのはこれが初めてではない。古くは昭和26(1951)年、米国は韓国の李承晩(イ・スンマン)大統領の要請を受け日韓協議を取り持ち、それが40年の日韓基本条約につながった。最近でもいわゆる慰安婦に関する日韓外相共同発表やGSOMIA合意の裏には、常に米国の水面下での働き掛けがあったことはよく知られている。

 ◆無関心トランプ氏

 それにしても今回は米側も大変だったと思う。左派民族主義者の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を説得するなら、大統領レベルでの働き掛けが不可欠だろうが、今回トランプ大統領はGSOMIA問題にほとんど関心を示さなかった。もし米大統領が早い段階から動いていれば、今回のような後味の悪い米国の外交圧力は不要だったろう。

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