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【大阪特派員】高齢化社会に泣く老犬たち 山上直子

 つぶらな目でカメラを見つめる年老いた犬たちの写真はからだが汚れていたり、柵にこすりつけたためか鼻がすりむけていたり。白内障で白く濁った瞳をうるませていた15歳の雑種犬は、ネグレクト(飼育放棄)の末に持ち込まれ「譲渡不可」の判定が下された。数日後に殺処分されたという。どの犬も十数年前、かわいい子犬として飼われ始めただろうに。

 非情な飼い主ばかりではない。心の支えだった犬のために頑張ってきたが限界で、家族のところではひどい目にあわされるのが目に見えているから、自分の責任で保健所に連れて行きます-。涙ながらに話す飼い主もいたそうだ。

 なぜあと少し、家族の一員として最後まで看取ってやれなかったのか-。「老犬たちを殺しているのは、施設の職員さんではない。彼らの命に対する責任を放棄し、彼らを捨てた、飼い主自身だと私は思います」という。

 「人と動物の共生」をテーマに活動する児玉さんを最初に取材したのは4年前だ。捨てられた動物の取材を始めたきっかけは衝撃的だった。

 線路わきに捨てられていた水色のゴミ袋を見つけ、そこには「犬(死)」と書いた紙が張ってあったのだそうだ。あけてみると、中には首輪をつけた白い大きな犬が入っていた。死んでゴミ扱いされた犬を、児玉さんは河川敷に運び土をかけながら涙が止まらなかったと話してくれた。

 近年、老犬の世話をしきれず飼育放棄するケースが頻発しているという。どうしたらそんな不幸な老犬をなくすことができるのか。児玉さんは、終生飼養の覚悟や介護サポーターを見つけること、万が一のとき犬を託す人を決めておくことなど「私たちにできる14のこと」を提唱している。「すべての老犬が家族の愛に見守られながら、心穏やかにその生涯を終えられる日本にいつかなりますように」

 全ての漢字にルビをふったのは子供たちにも知ってもらいたいから、と話した。(やまがみ なおこ)

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