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【大阪特派員】高齢化社会に泣く老犬たち 山上直子

老犬たちの涙
老犬たちの涙

 〈その子(こ)はふるえていました。(中略)ただただ途方(とほう)に暮(く)れながら、時(とき)おりクーンクーンと哀(かな)しい声(こえ)で泣(な)くのです〉

 そこは、行き場をなくした犬が収容される行政施設。大阪在住のフォトジャーナリスト、児玉小枝(さえ)さんが出会ったのは、おぼつかない足取りで犬房(けんぼう)の中を歩き回る、高齢の13歳のチワワだった。

 児玉さんが秋に出版したフォトブック「老犬たちの涙~“いのち”と“こころ”を守る14の方法」(KADOKAWA)が話題だ。

 認知症を患うようになったそのチワワを、飼い主の老夫婦は動物病院に通院させながら介護をしていたという。やがて自分たちの病気などで世話ができなくなり、病院での安楽死処置も断られ、最終手段でその施設に連れてきた。

 看取(みと)り拒否、介護放棄、老老介護の破綻…。人間の話ではない。高齢化社会とペットブームの裏で人とペットの間にも同じ問題が起きている。殺処分ゼロの取り組みが進む一方、年間3万9327頭の犬が施設に収容され、うち8711頭が殺処分されている(平成29年度、環境省調べ)。

 9月末、児玉さんから出版のメールと、同書が届いた。そこには、人知れず殺処分されていく犬たちの姿。しかも(一部の先進的な施設を除いては)真っ先に対象となってしまう老犬たちの写真が紹介されていた。なぜなら、新たな飼い主が見つかる可能性が低いのは高齢犬だからだ。

 理由はさまざまという。

 認知症になった、寝たきりになった、末期がんになった、治療の費用がかかる、番犬として役に立たなくなった、夜泣きがうるさい…。そうした理由で捨てられやってくる老犬があとをたたない。

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