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【風を読む】「壁」は、あった方が良かった 論説委員長・乾正人

 「ベルリンの壁」は、あった方が良かった。少なくとも日本にとっては。

 半分は冗談だが、かなり“本気”でそう思っている。

 冷戦時代、世界は米国率いる自由主義陣営とソ連を盟主とする社会主義陣営とに二分され、単純明快、わかりやすかった。映画「007」も、ショーン・コネリーが主役を務めていた頃、凄腕英諜報員・ボンドは、酒と女の合間に仕事をやっている風情で、現代のボンドのように、残忍なテロや人間関係に苦悩してはいなかった。

 西側で、自由貿易の恩恵を最大限受けた日本は、いいことずくめだった。

 冷戦を背景とした戦争も日本経済を助けた。昭和25(1950)年に勃発した朝鮮戦争は、「特需」をもたらし、終戦後の経済破綻から脱した。

 ベトナム戦争もそう。昭和39(1964)年の前回東京五輪後、急激な需要減によって「オリンピック不況」に見舞われたが、翌年からベトナム戦争が激化。米軍は大量の軍需物資を日本で調達し、風が吹けば桶屋が儲(もう)かるで、軍需優先で民需が逼迫(ひっぱく)した米国への輸出が急増し、高度成長の下支えとなったのは意外と知られていない。

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