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【直球&曲球】春風亭一之輔 即位の礼の日にぶらついてみたら

 「即位礼正殿の儀」で天皇陛下即位の祝辞「寿詞(よごと)」を読み上げる安倍晋三首相=令和元年10月22日午後1時21分、宮殿・松の間
 「即位礼正殿の儀」で天皇陛下即位の祝辞「寿詞(よごと)」を読み上げる安倍晋三首相=令和元年10月22日午後1時21分、宮殿・松の間

 10月22日。朝、子供たちが学校に行かないので「どうした?」と聞くと、「お休みだよ」と言う。そうだった。午前中は東京・有楽町で仕事。どしゃ降り。皇居に近いからか車がまるで走ってない。視界に入る警察官が30人は、いる厳戒態勢。

 仕事が済んで昼の12時。ラーメン屋に入ると、テレビで特番。外国人観光客も見入っている。逆に日本人はボンヤリ眺めていたりして。外に出ると雨がやんだ。

 夜は大手町(東京)で独演会だ。時間つなぎに皇居の周りをフラフラしてみよう。日比谷(同)の交差点の先から、また警備が厳しくなってきた。警官の背中には「福岡県警」とある。2万6千人のお巡りさんが東京に集まってるらしい。

 一体どこに泊まってるんだ? 夜はやっぱり街に繰り出したりするのかな? なんて余計なコトが気になって、ちょっとお巡りさんに聞いてみようかと思ったが、みな鋭い目をしているので、やめた。

 皇居外苑には徐々に人が集まってきた。「今日だったね! ラッキーじゃん!」とはしゃいでいるカップル。どうやら私みたいなやじ馬も多いようだ。もちろん真剣に、天皇陛下のご即位を祝福したいと思ってきた人も。最前列のほうは、そんな空気を感じる。真横で若者がスマホでニュースを見ている。

 風が強くなり、雲の流れが速くなってきた。晴れた。と、思ったら「ドーンっ! ドーンっ!」と空気が揺れるほどの轟音(ごうおん)。私が「あ、花火」とつぶやくと「礼砲というんですよ」と真面目そうな男性がかなり強めの口調で教えてくれた。前方では、いきなり万歳三唱。同時多発的にあちこちで「君が代」の斉唱が始まった。「礼砲」を教えてくれた人も歌っている。

 帰りがけに見た二重橋前で交通整理をしている恰幅(かっぷく)のいい中年のお巡りさん、実に、にこやかでうれしそうだった。

 私が独演会を終えて帰宅したのが午後11時過ぎ。テレビでは赤坂御所にお戻りになる両陛下が車中から手を振っておられる。「みんなが幸せだといいな」とボンヤリ思って、その日は早めに寝た。

【プロフィル】春風亭一之輔

 しゅんぷうてい・いちのすけ 落語家。昭和53年、千葉県生まれ。日大芸術学部卒。平成13年、春風亭一朝に入門して朝左久、二つ目昇進時に一之輔を名乗る。24年、21人抜きで真打ちに抜擢(ばってき)。古典落語の滑稽噺を中心に、人情噺、新作など持ちネタは200以上。

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