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【スポーツ茶論】日本の金属バットは“飛びすぎる”のか 北川信行

第101回全国高校野球開会式の入場行進=8月6日、甲子園球場(水島啓輔撮影)
第101回全国高校野球開会式の入場行進=8月6日、甲子園球場(水島啓輔撮影)

 「飛びすぎる」と悪玉にされている感のある日本の金属バットについて書こうと思う。今秋、日本高野連が規格変更に着手したからだ。国際大会での競技力向上や、強烈なピッチャー返しから選手を守るのが狙い。高い反発力を見直し、木製バットに近い性能を目指している。しかし、本当に日本の金属バットは反発性能が高いのか。関係者を取材すると、そうとは言い切れない事実が見えてきた。

 日本高野連が昨年発行した70年史によると、日本の高校野球で金属バットの使用が認められたのは1974年。2001年から、(1)最大直径は67ミリ以下(2)重さは900グラム以上(ヘッドキャップ、グリップテープなどを除いた本体は810グラム±10グラム以上)-などの基準が適用されている。

 一方、米国のアマ球界では「BBCOR」と呼ばれる規格の順守が義務づけられている。関係者によると、「重さ(オンス)=長さ(インチ)-3(オンス)以上」。つまり、長さ34インチ(約86・4センチ)のバットは、31オンス(約879グラム)より重くなければならない。日米を比べると、重さに関しては米国の規制の方が事実上緩く、軽いバットが使える。同じ力で振ると、軽い方がスイングスピードが速い。スイングスピードが速いと、ボールをはじく力も大きくなるので、同じ性能なら軽いバットの方がボールはよく飛ぶ。

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 日本と米国では検査基準も異なる。「日本は強度だが、米国は反発係数。比較は難しい」と関係者。たとえば、安全性を重視する日本の検査では、ボールが当たったときのバットのたわみ具合を調べる。よくたわむバットほど元に戻ろうとする力が強く、復元力でボールは遠くに飛ぶが、半面、へこんだり、曲がったりしやすい。強度を増すには肉厚にすればいいが、バットは重くなる。同じ重さで肉厚にするには、直径を細くする方法がある。こうした理屈で、日本の金属バットは肉厚で細くなってきた歴史がある。肉厚で細いと、たわみにくい。つまり、強度が増した今のバットは、昔より飛びにくくなっているのだ。一方、BBCOR規格の金属バットは、反発係数に関しては木製バットに極めて近いとされるが、メーカーの専門家に尋ねても、強度に関する検査結果はよく分からないという。

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