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【日曜に書く】無秩序開発が水害に拍車 論説委員・井伊重之

台風19号の大雨で堤防が決壊した千曲川で完成した仮堤防=18日午前8時33分、長野市
台風19号の大雨で堤防が決壊した千曲川で完成した仮堤防=18日午前8時33分、長野市

 災害列島に暮らす日本人は、昔から河川の氾濫との戦いを強いられてきた。2年前の九州北部豪雨や昨年の西日本豪雨に続き、今年の台風19号が東日本地域を中心にもたらした深刻な被害は、その厳しい現実を改めて突きつけた。

 台風19号は、全国で70以上の河川堤防を同時多発的に決壊させた。日本の治水整備は、過去の最大雨量を参考に堤防のかさ上げなどの対策を講じている。だが、地球温暖化で大量の雨が降る回数は急増しており、これからの水害対策は過去の雨量は参考にならない。治水整備の抜本的な見直しが不可欠だ。

 ◆堤防などの整備に限界

 ただ、いくら河川整備や堤防などのハード面を増強しても予算には限りがあり、整備に時間も要する。その間にも日本は豪雨被害に見舞われる。被害を少しでも減らすには住民の防災意識を高め、早期避難を促すなどソフト面の強化も重要だ。

 水害被害が増える中で、最近まで国の治水整備事業費は減少傾向にあった。ピーク時には2兆円を超えていたが、公共事業予算の削減に伴い、8千億円程度にまで減っていた。西日本豪雨などを受け、政府は国土強靱(きょうじん)化に向けた緊急対策を打ち出し、ようやく1兆円規模にまで回復したものの、国全体の治水整備は遅れている。

 20~30年かけて完成させる河川整備計画の達成率は、決して高くない。河川整備計画に基づいて水害対策を進めている国管理の河川で、堤防が必要な区間は約1万3千キロあるが、堤防の規格が計画水準に達していなかったり、堤防自体が整備されていなかったりする区間が全体の約3割に上る。

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