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【主張】ペンス氏対中演説 日本は足並みをそろえよ

米中関係の将来と題した演説で中国に厳しいメッセージを送ったペンス米副大統領(右)=24日、ホワイトハウス(AP)
米中関係の将来と題した演説で中国に厳しいメッセージを送ったペンス米副大統領(右)=24日、ホワイトハウス(AP)

 ペンス米副大統領が「米中関係の将来」について演説した。

 ペンス氏は1年前にも対中政策で演説し、米中「新冷戦」の号砲と位置づけられた。

 今回も中国による対外覇権追求や知的財産権侵害、人権弾圧などの是正を迫り、香港問題ではデモ参加者を支持し、当局の武力行使を牽制(けんせい)した。

 浮かび上がるのは、既存の世界秩序に挑戦する中国の強権的行動が、この1年で露骨さを増していることだ。米中貿易協議が続く中でも毅然(きぜん)とした対抗姿勢を示したペンス氏の演説を評価したい。

 とりわけ、尖閣諸島をめぐる発言は注目される。

 ペンス氏は尖閣諸島を「日本の施政下にある」とし、中国海警局による周辺への艦船派遣が「連続で60日以上」にわたったと指摘した。東シナ海上空での中国軍機に対する自衛隊機の緊急発進回数が今年過去最多になるとし、「親密な同盟国である」日本に対し、ますます挑発的になっていると強く非難した。

 そもそもこうした事実は、安倍晋三首相が中国に対して言うべき発言である。トランプ政権の危機感とは対照的な最近の日本による対中融和姿勢への懸念が、ペンス氏による尖閣発言の背景にあるとみるべきだ。

 目に余るのは日本の領土への侵食や挑発だけではない。北海道大の男性教授が9月に中国当局に拘束されるなど、日本への不当な振る舞いは全く改まっていない。

 だが安倍首相は日中関係が「正常な軌道に戻った」とし、ペンス氏が演説で「軍事目的の恐れがある」とした巨大経済圏構想「一帯一路」に協力を表明した。来春予定される習近平国家主席の国賓としての来日を前に波風を立てたくないといった態度だ。

 安倍首相は香港情勢について、来日した王岐山国家副主席に「大変憂慮している」と伝えたが、ペンス氏は「米国はあなたたちに触発された」とデモ参加者との結束を明確に表明した。自由・民主主義という共通の価値を守ろうとする香港や台湾の人々との連帯を示す姿勢は、北京の顔色をうかがう日本外交への皮肉にも通ずる。

 米国の危機意識とは真逆の対中融和は、日本自身と日米同盟を不安定にする。安倍首相は「ペンス演説」を、自らへのメッセージと受け止めなければならない。

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