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【論壇時評】11月号 GSOMIA破棄 東アジア安保「崩壊序曲」も 論説委員・岡部伸

G20大阪サミットで同席した韓国の文在寅大統領(左)と安倍晋三首相(右)。日韓関係は厳しいままだ=6月29日(代表撮影)
G20大阪サミットで同席した韓国の文在寅大統領(左)と安倍晋三首相(右)。日韓関係は厳しいままだ=6月29日(代表撮影)

 悪化の一途をたどる日韓関係。摩擦がついに安全保障上の領域にまで及んだ。韓国は日本の輸出管理強化は国際ルール違反だとして世界貿易機関(WTO)に提訴し、「ホワイト国」リストから日本を外したのに続いて軍事機密を共有するための日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄まで通告した(11月23日に失効)。

 11月号の月刊各誌は、「韓国という難問」(『中央公論』)、「日米韓の断層」(『Voice』)、「日韓相克」(『文芸春秋』)などの特集を組んだ。

 GSOMIAは、軍事情報を相互に提供する2国あるいは複数国間で、軍事上の秘密を要する情報を第三国に漏洩(ろうえい)しないことを定める情報保護協定だ。日本は、米国など7カ国および北大西洋条約機構(NATO)との間で締結している。

 日本は2014年、米国を介して日米韓の3国が機密情報をやりとりする日米韓情報共有に関する取り決め(TISA)を締結、韓国と同盟国の米国を通じて機密情報の交換を始めた。しかし米国を介しての交換は時間がかかるため、16年に韓国ともGSOMIAを結び、北朝鮮の核・ミサイル情報は質、量とも改善された。

 軍事情報を共有し合うため、両国間の信頼関係が大前提だが、日本は韓国に、輸出品の扱いが安全保障上、不十分だとして「ホワイト国」から除外した。韓国は、その説明を逆手に取って「われわれを信用できないならGSOMIAは延長できない」と訴えた。

 文在寅大統領の「特別補佐官」の文正仁は、『文芸春秋』に、対抗措置としてGSOMIAを終了したと認め、「日本は輸出規制の理由として、韓国が信頼できないからだと言いました。韓国を信頼できないのに、より敏感な軍事情報を交換できますか?」と告白している。

 元外務省主任分析官で作家の佐藤優は『中央公論』で、「信頼関係は、韓国最高裁の元徴用工訴訟判決を文政権が支持した時点で崩れ、日本側の不信感は極限に達した」と指摘したうえで、『光復節』の演説で文大統領は歩み寄ったが、韓国に「GSOMIA破棄という引き金を引かせるため、日本側が『ガン無視』のカードを切った」と分析した。「彼らに壊してもらって、その全責任を負わせてしまう。(中略)短期的には日本の完勝と言っていいと思います」とも論じた。

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