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【主張】台風被害 正しい情報が生命を救う

 日本列島に記録的な大雨をもたらした台風19号から1週間となる。

 死者・行方不明者は80人を超える。河川の氾濫などで浸水した地域は広範囲にわたり、各地で断水や交通網の遮断が続いている。関東から東北にかけては19日にかけて大雨となる地域があり、さらなる警戒が必要だ。

 政府は22日に予定していた天皇陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」を延期し、11月10日に実施する。甚大な台風被害や復旧作業を考慮したもので、妥当な判断だろう。

 政府はまた台風19号を「特定非常災害」に指定し、被災で行政手続きができなくなった人を救済する。被災自治体の財政負担軽減を図る「激甚災害」の指定も急ぐべきだ。まずは捜索、復旧と被災者支援に全力を挙げてほしい。

 犠牲者の死因は多くが溺死だった。自宅の1階や、自動車内で逃げ遅れたケースが目立っている。洪水が迫ってから避難所に向かうことや、自動車で移動することは大きな危険を伴う。

 気象庁や自治体はメディアなどを通じて、避難が間に合わないときは、建物の2階以上に「垂直避難」することを呼びかけたが、徹底されなかった。

 災害から身を守るために重要なのは、情報である。正確で迅速な情報の発信と、確実な受信と行動が不可欠である。

 茨城県内を流れる那珂川は台風19号による大雨で堤防3カ所が決壊し、広範囲で浸水被害が発生した。ところが国土交通省関東地方整備局が「氾濫発生情報」を出していなかったことが発覚し、赤羽一嘉国交相が謝罪した。

 関東地方整備局は「現場が混乱していた」などと釈明したが、住民の生命に関わる情報である。猛省を促すとともに、再発防止を徹底してほしい。

 自治体や企業、学校や病院などの施設、住民は、情報によってどんな行動が最良なのか、平時に繰り返し確認し、備えておくことが肝心である。台風19号の犠牲者には高齢者が目立った。被災時に高齢者の避難を誰が助けるか。家族や近親者、あるいは近隣住民と普段から話し合っておくべきだ。

 昨年の西日本豪雨や今年9月に千葉県内に大規模停電をもたらした台風15号など、気象の凶暴化傾向は今後も続くとみられる。平素の準備を見直しておきたい。

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