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【話の肖像画】映画監督・是枝裕和(57)(1)ドヌーヴと樹木希林

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ベネチア国際映画祭でカトリーヌ・ドヌーヴ(右)とジュリエット・ビノシュ(左)とともにレッドカーペットを歩く=8月28日、イタリア・ベネチア(ゲッティ=共同)
ベネチア国際映画祭でカトリーヌ・ドヌーヴ(右)とジュリエット・ビノシュ(左)とともにレッドカーペットを歩く=8月28日、イタリア・ベネチア(ゲッティ=共同)

 〈世界三大映画祭の一つ、ベネチア国際映画祭で最高賞「金獅子賞」を競うコンペティション部門のオープニング作品に、日仏合作の最新作「真実」が選ばれた。主演はフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴだった〉

 脚本を書いていたときは日本で撮ろうと思っていました。でも、日本であの大女優役をできる人がもういないなあ、世界中を見渡してもいないのかなあと思っていたとき、「あっ、フランスだったらカトリーヌ・ドヌーヴがいる」とひらめいて。ドヌーヴだったら自身のキャリアを役に重ねながら、リアルに演じられるのではと思い、動き出した企画でした。彼女ありきで書いているストーリーです。

 〈カトリーヌ・ドヌーヴは1943年生まれ。カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した「シェルブールの雨傘」で世界的スターに。代表作は「ロシュフォールの恋人たち」「昼顔」など〉

 ドヌーヴは、映画の中の役と同じぐらい毒舌家で自由奔放なので、撮影現場に時間通りには来ませんし、せりふもまったく覚えてこない。昼過ぎに来て、楽屋で何かロックをガンガンかけながらメークをしているんです。

 楽屋に呼ばれていくと、台本が開かれていて「きょうのここのせりふは、こういうふうに言ってもいい?」といった提案があるのですが、それが非常に的確。その辺りは、樹木希林さんと一緒でしたね。

 ドヌーヴがせりふを覚えるのは、現場で芝居をしながら。8とか10とかテイク(撮影)を重ねていくうちに1回だけ、とてもいいテイクがある。そのときの演技は本当に素晴らしいんです。そこに至るまでは、めちゃくちゃなんですよ(笑)。その1回にたどり着いた瞬間、もう本人としても「今のでOK」。「今以上のものは私からは出てこないから、もうやらない」という連続でした。

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