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【朝晴れエッセー】財布の中の・10月13日

 就寝前、あらかたの片付けを済ませ、財布の中を整理していると、小銭の中から見覚えのない、外国の小さな硬貨が出てきた。

 入れた覚えもなければ、受け取った覚えもない。

 くすんだ銀色で、眼鏡を掛けた男性の横顔と、裏には東南アジアと言われれば思い浮かべるような建物の絵。

 刻んである文字はアルファベットとは全くちがう。以前勉強していたネパールやインドの文字とも違う。そして硬貨の裏と表の天地は逆。

 なじんだ日本の硬貨の、天地の揃った安定感に慣れていると不思議な感じがする。

 記憶を探りながら、何かヒントはないかといじりつつ、ふと1円玉と重ねると、同じ大きさと厚み。スーパーでの買い物のお釣りに紛れていたのだろうか。

 普段、小銭入れの中身を、改めて眺めることは少ない。

 今日見つけなければ、気付かずに使っていたかも知れない。

 どこの国の硬貨だろう。インターネットで調べれば、すぐにもわかりそうだが、なんとなくそうする気分にはなれない。

 縁があってうちに遊びに来た外国からのお客さん。

 行ったことのないその国に、ご縁が出来たようで、硬貨は財布のポケットに入れ、時々取り出しては眺めている。

野坂 つづる 44 大阪市東淀川区

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