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【主張】関電会長が辞任 不信の払拭へ徹底調査を

 関西電力の役員らが高浜原発がある福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題をめぐり、同社の八木誠会長が9日付で引責辞任した。岩根茂樹社長も年内にまとまる第三者委員会の調査結果を待って辞任する。

 八木氏や岩根氏は森山氏から多額の金品を受領しており、辞任は当然だ。ただ、トップが辞めたからといって同社の疑惑を封じることは許されない。

 第三者委の調査では、原発マネーの還流を含めて真相の解明が不可欠だ。それを抜きに経営責任を果たしたことにはならない。

 社内調査では、役員ら20人が3億2千万円相当の金品を受け取っていたことが判明した。その後、調査対象者でない幹部らの受領も明らかになっている。

 調査を尽くしたうえで厳しい処分を下さなければ、同社はもちろん、原発に対する国民の信頼を取り戻すことなど到底できまい。

 9日の臨時取締役会で八木氏のほか、森山氏から金品を受け取っていた森中郁雄副社長ら原子力事業本部の幹部経験者が同日付で辞任することを決めた。これまで八木氏と岩根氏は「再発防止を徹底して経営責任を果たす」などと引責辞任を否定していた。

 しかし、経済産業省や地元などの批判が高まり、野党も追及姿勢を強めている。社内や関西財界でも辞任は避けられないとの声が出ていた。自らの進退を判断できず、厳しい世論に追い込まれた末の辞任といえる。

 同社では昨年実施した社内調査の結果と、それに伴う社内処分を取締役会に報告していなかった。法外な金品を利害関係者から受領しながら、会社として拒否・返却する仕組みも設けなかった。

 あまりに杜撰(ずさん)な対応であり、企業統治の機能不全は明白だ。法令順守に向けトップをはじめとした社内全体の意識改革が厳しく問われていると認識すべきだ。

 第三者委は、関電と原発立地自治体の関係も調べる必要がある。特に関連工事を地元に発注した関電に対し、森山氏や建設会社から原発マネーが還流した疑いもある。工事発注の手続きを含めた徹底調査が欠かせない。

 電力自由化を迎え、電力会社と原発立地自治体の関係は透明性が求められている。政府も新たな関係構築を支援すべきだ。

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