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【直球&曲球】葛城奈海 「何はともあれ自衛隊」の前に…

 台風15号の影響で被害を受けた住宅の屋根にブルーシートを張る自衛隊員ら=17日午後、千葉県鋸南町
 台風15号の影響で被害を受けた住宅の屋根にブルーシートを張る自衛隊員ら=17日午後、千葉県鋸南町

 相次ぐ災害のニュースで迷彩服を着て活躍する自衛官の姿をよく見るようになった。9月上旬に千葉県などを襲った台風15号に伴う災害派遣では、被災地域の給水・入浴支援に当たったほか、倒木処理、屋根のブルーシート張りや土嚢(どのう)づくりにも自衛官が活躍した。ネット上に流れた、撤収する自衛隊の車列に地元住民が口々に「ありがとう」と謝意を伝える映像は、多くの人の心を動かした。

 私も心打たれたひとりだが、同時に、これで良いのだろうか、とも思った。確かに、目の前に苦しんでいる国民がいれば助けるのは自衛官の矜持(きょうじ)であろうし、その自衛隊に感謝するのは国民として健全な姿だ。それ自体、国民と自衛隊の美しい関係であることは、間違いない。ただ、それだけで終わってはいけないとも思うのである。

 具体的に言えば、災害派遣には公共性、緊急性、非代替性という3要件がある。これらを満たすときに、都道府県知事らが自衛隊に派遣を要請することができる。急患輸送など人命がかかっている場合は明らかにこれに該当する。

 しかし、今回の倒木処理やブルーシート張りは果たしてどうであろう。自衛隊に頼む前に、「代替」できる存在はなかったか。ある自衛官は、言いづらそうに「ライフライン復旧後は、民間企業の仕事を取ってしまっているように感じた」と語った。自衛隊を“便利屋”のごとく利用してしまった面はないだろうか。

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