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【主張】米朝協議「決裂」 圧力強め主導権取り戻せ

 7カ月ぶりに非核化をめぐる米朝交渉となったスウェーデンでの実務協議は、北朝鮮側が一方的に「決裂」を宣言し、終了した。

 米側が「手ぶら」で現れたためだとし、年末を期限に、納得できる提案を求めた。核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験の中止が維持されるかどうかは米国次第だと牽制(けんせい)した。

 武力や言葉の挑発で危機を演出し、譲歩を引き出そうという得意の瀬戸際戦術とみるべきだろう。惑わされてはなるまい。

 大きな不安を覚えるのは、今回の交渉が北朝鮮主導で進められた点だ。「決裂」宣言のあと、米側は「良い議論だった」と異なる見解を示した。

 トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と直接掛け合い、その結果、核実験やICBMの発射実験が中止されたと自賛している。

 来年11月に大統領選を控えるトランプ氏はこれを外交成果とし、金氏との良好な関係を維持したいのだろう。度重なる短距離弾道ミサイル発射も不問に付し、さらにホワイトハウスの安全保障政策の要で、北朝鮮に厳しい姿勢を崩さなかったボルトン氏を大統領補佐官から解任した。

 大統領は来る選挙を意識して動き、安保チームはそんな大統領に意見できない。これでは、北朝鮮に足元を見られよう。態勢を早急に立て直すべきだ。

 トランプ氏が目指すべきは北朝鮮に核、弾道ミサイルを放棄させることだ。駆け引きに時間を費やしてはならない。北朝鮮は核、弾道ミサイルの開発を続け、脅威は刻々と増大している。

 過去に北朝鮮を動かしたのは、軍事的、経済的圧力である。米側が「手ぶら」だったとすれば、最大の問題は、非核化を促す新たな圧力を欠いたことにある。

 北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射を受け、予定される国連安全保障理事会の協議を圧力強化への転機としたい。北朝鮮は新たな安保理決議違反を予告しているに等しく看過できない。明確に非難し、制裁強化の具体的作業に入ってほしい。

 安倍晋三首相は、SLBM発射と協議「決裂」の事態を受け、トランプ氏に圧力強化を直接働きかけてほしい。拉致問題解決の重要性も再確認すべきだ。

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