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【直球&曲球】中江有里 「損得」でとらえる税金とは…

消費税率引き上げに向け、値札を張り替えるコンビニの店員=9月30日午後11時46分、東京都品川区
消費税率引き上げに向け、値札を張り替えるコンビニの店員=9月30日午後11時46分、東京都品川区

 消費税が始まった平成元年のことをよく覚えている。

 買い物する度、値段プラス税金が加わるのに戸惑ったことや小銭がこれまでよりも増えて財布が重くなった。

 今月1日から10%になった消費税だが、今回は同時に軽減税率が導入された。軽減税率が始まる前からテレビなどでシミュレーションが繰り返し報道されているが、ルールが曖昧で分かりにくいところがあるし、売る側も導入後にトラブルが起きてほしくないと用心しているはずだ。

 私自身、数えきれないほど報道に触れて多少理解しているつもりでも、慣れるまでしばらく恐る恐る買い物をすることになると思う。

 ふと、以前ロンドンを訪ねた際に似たような税を体験したことを思い出した。

 海外へ行って買い物をすると総じて税金が高いと感じるが、ロンドンでは子供服はゼロ税率だった。他に食料品など生活必需品には税金がかからなかった。

 当時、日本の消費税に慣れてしまった私は、このルールに驚きつつ、生活に必要なものと、そうでないものの税金の差に一種のフェアさを感じた。

 逆に日本は誰も等しく消費税を払わねばならない。その逆進性を解消しようというのが軽減税率、そしてもうひとつ、キャッシュレスもそうだ。

 今回の増税の軽減政策としてキャッシュレス決済すればポイントが還元される。かなりお得な制度などいわれているが、デジタルに疎い人には情報が届いても、活用されるかどうかは不明だ。たとえば現金主義の人にいきなり方針を変えろ、というのも余計なお世話だ。

 だからデジタルに精通し、いち早くキャッシュレスにしている人はお得…これで情報を知らない人が損をするといわれているようだ。

 国税庁のHPの子供向けの税の仕組みのページに「税は会費のようなもの」とある。税金が社会を支えるための会費なら、損得でとらえてほしくない。国民に必要な仕組みとして、増税後も、周知とより理解が進むように政府には努めてほしい。

【プロフィル】中江有里

なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」に出演中。文化審議会委員。

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