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【一筆多論】昭和天皇のリアリズム 渡辺浩生

 現代史家の秦郁彦氏は当時の取材に、占領期一貫した昭和天皇の関心は安保体制の行方にあり、「頭の中で『沖縄メッセージ』と『芦田メモ』はワンセットだった」と指摘。戦後、周辺から軍部や長老がいなくなり、天皇自身が「最も長くて豊富な経験」を積んだ指導者だったとも語った。

 そんな天皇のリアリズムが曲折を経て、米軍に基地を提供する代わりに米軍が日本の防衛を担う日米安保体制の「原型」に結実した。拝謁記での再軍備や憲法改正をめぐる発言もその延長線上だったといえる。

 厳しい国際情勢を直視した昭和天皇のイニシアチブは今日にも示唆的であり、拝謁記からも別のストーリーが見えてくる気がする。(外信部長兼論説委員)

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