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【一筆多論】昭和天皇のリアリズム 渡辺浩生

第1回会見の際に撮影されたダグラス・マッカーサー(米国の軍人・元帥)。戦後、軍の最高司令官として日本占領にあたった。右は昭和の天皇陛下(昭和20年9月27日撮影)
第1回会見の際に撮影されたダグラス・マッカーサー(米国の軍人・元帥)。戦後、軍の最高司令官として日本占領にあたった。右は昭和の天皇陛下(昭和20年9月27日撮影)

 昭和天皇が終戦後、田島道治(みちじ)・初代宮内庁長官に対し、再軍備や憲法改正の必要性に言及していたことが今夏、クローズアップされた。田島氏が昭和24~28年に天皇とのやりとりを記録した「拝謁記」が見つかり、遺族の提供を受けたNHKが番組で特集した。

 ただ、再軍備への言及を「新たな発見」と扱うことには疑問を感じた。天皇は占領が終わる再独立後の日本の安全保障を憂慮し、米軍駐留により確保する必要性を唱えてきたからだ。

 拝謁記によると、日本が主権を回復した27年5月、「再軍備によつて旧軍閥式の再抬頭(たいとう)は絶対にいやだが 去りとて侵略を受ける脅威がある以上 防衛的の新軍備なしといふ訳ニはいかぬと思ふ」と述べた。

 22年にさかのぼる。5月、マッカーサー元帥との4回目の会見で「日本ノ安全保障ヲ図ル為(ため)ニハ、アングロサクソンノ代表者デアル米国ガ其ノイニシアチブヲ執ルコトヲ要スルノデアリマシテ、此ノ為元帥ノ御支援ヲ期待シテ居リマス」と懇願した(児島襄「日本占領第3巻」)。

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