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【日曜に書く】ラグビーっていいよね 論説委員・別府育郎

ラグビーW杯1次リーグのフィジー-ウルグアイの試合前、震災犠牲者に黙とうをささげる選手やスタンドの観客=25日午後、岩手・釜石鵜住居復興スタジアム
ラグビーW杯1次リーグのフィジー-ウルグアイの試合前、震災犠牲者に黙とうをささげる選手やスタンドの観客=25日午後、岩手・釜石鵜住居復興スタジアム

 ◆おもてなし

 小中学生2千人の合唱と黙祷(もくとう)で試合は始まった。

 東日本大震災の被災地に新設された釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムでラグビー・ワールドカップ(W杯)が開催された。試合は必死のウルグアイが奔放のフィジーに競り勝ち、1万4025人で埋まったスタンドでは、スペイン語の歓喜が破裂した。

 新日鉄釜石や後継の釜石シーウェイブス(SW)で活躍した前GMの高橋善幸さんは「試合も面白かったけど、それより満員のスタンドの光景にうるうるしてしまいました」と話した。

 何より印象に残ったのは若いボランティアらの満面の笑顔による渾身(こんしん)のおもてなしだった。「いらっしゃい」「楽しんで」「また来てください」。最初は気恥ずかしくさえあったが、次第に感動すら覚えた。

 ◆がんばっぺし

 試合前日、東北新幹線を待つ東京駅のホームの待合で隣り合わせたのは、日本ラグビー協会の森重隆会長だった。新日鉄釜石7連覇のV4まで中心選手、兼任監督として牽引(けんいん)した。いわば里帰りでもあった。

 「批判もある中で釜石の市民が実現させてくれた。釜石を開催地に選んだワールド・ラグビーも偉い。今日も明日も宴会です。では向こうで」。言葉通りに深夜の釜石でもすれ違った。「町はすっかり変わったね。私がいたころとは」

 年月と津波が町を変えた。W杯開催に批判はあった。今もある。震災後何度か町を訪ねた。「こんな大変な時になぜ釜石でラグビーなんだ。なぜ東京で五輪なんだ。俺を説得してみろ」と被災者に詰問され、言葉に窮し気持ちを沈めたこともある。

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