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【記者発】韓国メディアに振り回されて!? 大阪政治国際部・石川有紀

 日本が対韓輸出管理を厳格化すると発表した7月以降、あんなに大阪に遊びに来ていた韓国の若者の姿を見かけなくなった。韓国の旧暦のお盆「秋夕(チュソク)」(9月13日)は今年は4連休だったが、聯合ニュースが報じた人気海外旅行先は上位4位をベトナム・ダナンなど東南アジアのリゾート地が占め、大阪は前年の2位から5位へ、福岡は3位から6位に陥落した。記事では「日本の経済報復に伴う不買運動が続くなか、人気旅行地も変わった」と報じている。

 日本政府が安全保障上の輸出管理の問題だと説明しても、審査を経て輸出許可が出た例が報じられても、韓国政府や主要メディアからは「経済報復」とか「経済戦争」といった言葉が続いた。その結果、韓国国民に反感が広がり、行くな買うなの日本不買運動と反安倍晋三政権運動へと拡大した。

 日本の観光庁の発表では、8月に日本を訪れた韓国人旅行者数は約30万人で前年同月比48・0%減。しかし不買運動で打撃を受けたのは日本の観光業界だけではない。韓国の航空会社の日韓路線縮小と業績悪化を招き、旅行会社にも深刻な打撃を与えている。

 日本食や日本旅行を楽しんでいた韓国の若者は日本嫌いになったのだろうか。友人たちにチュソクのあいさつでメッセージを送ってみると、皆すぐに返事をくれ「日韓関係が悪化して連絡しづらかった」と気にしていた。

 日本語学科を卒業した20代の女性からは、九州の旅行会社に就職したとうれしい報告もあった。ところが韓国人旅行客の急減で「会社を辞めなければならなくなるかも…」と早期の改善を願う。韓国で外国人向けのツアーガイドをしている20代の男性も「不買運動は安倍政権への抗議で、韓国人は日本人や日本自体が嫌いなわけじゃない」と日本人客の韓国離れを心配する。

 それにしても、現在の日韓関係悪化の原因は韓国政府が2国間の協定を守ろうとしないからで、何でも「安倍政権のせい」にしすぎでは、と率直に聞いてみると、さまざまな意見があるなかで「報道をバランスよく見ることが大事ね」とか「韓国の主要メディアは保守派か進歩派の両極に偏っている。振り回されたくない」といった言葉も。同業者としては複雑な心境だ。

【プロフィル】石川有紀

 平成15年入社。奈良支局、広島支局、大阪経済部などを経て、韓国留学後の30年7月から大阪政治国際部。日韓関係をテーマに取材している。

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