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【一筆多論】66歳9カ月まで働けば… 佐藤好美

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館

 年金制度の将来の健全性を占う「財政検証」の試算結果に、「66歳9カ月まで働けば、今と同水準の年金を受け取れる」というものがある。

 年金の水準は今後、2割程度下がる。だが、働く期間を延ばし、年金の受け取りを遅らせれば、制度変更がなくても、この程度は受け取れる、というのだ。

 「70歳まで」などと言われたら、ハナから「無理でしょう」と思ってしまうが、数字が穏当なので、実は驚いたのである。

 企業にはすでに、60歳定年の廃止か、その後の継続雇用が義務づけられている。働き手の不足もあり、退職年齢を65歳に引き上げる企業もある。「66歳9カ月」は、そうとんでもない数値ではない気がする。

 ただ、厚生労働省がこの年齢を算出した試算には、一つ“からくり”があった。試算は、40年間、会社員だった夫と、専業主婦の妻という「モデル世帯」で行われている。働き手である男性は55歳を過ぎても、60歳を過ぎても、66歳まで現役会社員と同水準の賃金で働く前提なのだ。

 55歳になっても給与が下がらず、60歳になってもまだ下がらず、そのまま66歳まで現役並みの賃金で働けるなんて夢みたいだ。現実と乖離(かいり)している。

 念のため、民間のよくある実態を説明すると、55歳になると賃金が下がり、60歳で再雇用されるとさらに下がる。

 試算は、前提が“盛りすぎ”なのではないのか。平均的な実像に合わせて計算し直したら、「66歳」は、70歳とか75歳になってしまうのではないか?

 そう息巻いたら、とある数理の専門家にこう指摘された。

 「いや、老後の賃金は高くても低くても、結果はそんなに違わないと思う」

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