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【主張】大学新共通テスト 明快な制度で不安を拭え

 大学入試センター試験に代わる新しい共通テストに暗雲が漂っている。英語の民間検定試験の利用をめぐり高校側の不安が大きく、延期要請が出るなど混乱している。

 不安を拭うには、何より分かりやすく、明快な入試制度とすべきだ。

 新共通テストは、現在の高校2年生が受験する令和3年1月に最初の試験が行われる。英語では、大学入試センターがつくるマークシート方式の試験と併用するかたちで、英検などの民間試験が利用される。現役生は高校3年の4月から12月に受けた民間試験の成績が受験する大学に提供される。

 高校側の不安は、入試と性格が異なる民間試験の利用で公正性が保てるのかなどだ。地方と都市部で民間試験の受けやすさが違うなど機会均等への疑問など、心配ごとが多い。実施が迫ったが、公立高主体の全国高等学校長協会は「先が見通せないほど混乱している」などと批判し、円滑実施のため民間試験利用の延期などを文部科学省に要請した。

 ただ高校側にも立場が違う意見がある。日本私立中学高等学校連合会は「延期はかえって大きな混乱を招く」とし、延期しないよう要請した。既に準備を進めている生徒に支障がでるという。

 文科省は、進むも退くも悩ましい課題を抱えた。しかし受験者の多い共通テストに中途半端に多くを求めるのが誤りだ。英会話力を試したいなら各大学の2次試験にまかせればよい。英語は使う環境がなければ上達は望めないといわれる。大学入学後の教育などを工夫するほうがよほど重要だ。

 難易度が異なる民間試験を合否判定にどう使うかも非常に分かりにくい。文科省は国際評価基準にあてはめ6段階で示しているが、それが適切なのか異論もある。

 実際、大学の利用方針も定まっていない。国立大学協会は一定以上のスコアを出願資格とするなどガイドラインを示したが、出願資格に中学卒業程度の低いレベルしか課さない大学もあり「骨抜き」状態だ。高校3年の貴重な時間に、民間試験をただ受ければいいというのでは生徒も困惑する。

 大学入試改革は「一発勝負、1点刻み」見直しを掲げスタートしたが、競争から目を背けて入試は成り立たない。透明性ある入試制度とし、入学後の学生を鍛える大学教育改革に傾注すべきだ。

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