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【日曜に書く】女性「名人」が誕生する日 論説委員・森田景史

里見香奈女流六冠=7日午後、金沢市
里見香奈女流六冠=7日午後、金沢市

 NHK朝の連続ドラマ『ふたりっ子』は、大阪・新世界に生まれ育ったヒロインがやがてプロの棋士となり、羽生善治名人と公式戦で盤をはさむシーンで幕となる。

 ドラマの放映は、平成8年秋からの半年間だった。

 その年の2月、25歳の羽生さんが将棋界初の七大タイトル(現在は八大タイトル)同時制覇を果たし、世の中が空前の「七冠」フィーバーに沸き返ったのを思い出す。

◆「夢のまた夢」

 後に筆者がドラマの演出担当者を取材した際、ラストシーンの設定は「名人戦」だと明かされた。

 「夢のまた夢ですね…」

 そうつぶやく筆者に、演出担当者は困ったような微苦笑を浮かべていた。現実味の乏しさに気付いていたのだろう。

 名人挑戦への道のりを簡単に記すと、プロ棋士はトップ10の実力者からなるA級以下、C級2組まで全5クラスに階層が分かれたリーグ戦を戦わなければならない。これを「順位戦」という。

 昇級のチャンスは1年に1度しかない。A級に上がるまで最低で4年、さらにA級で勝ち抜いて、ようやく名人への挑戦権が得られる。

 史上最年少でプロ棋士となった藤井聡太七段(17)は、小学4年のときの文集に「名人をこす」と書いた。デビューから颯爽(さっそう)と29連勝の新記録を打ち立てた麒麟児も、いまはまだ、下から2番目のC級1組で戦っている。

 「プロ」を名乗れるのは、その前段となる養成機関の「奨励会」を勝ち上がり、四段になった棋士だけだ。

 古往今来、女性はまだ一人もいない。「女流○段」の肩書は、いまの羽生さんが名乗る九段、藤井さんの持つ七段とは別の枠である。

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