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【記者発】避けられない関空の増強投資 大阪社会部・牛島要平

多数の旅客でにぎわう国際線出発フロア=4日午前、関西国際空港(山田哲司撮影)
多数の旅客でにぎわう国際線出発フロア=4日午前、関西国際空港(山田哲司撮影)

 羽田空港の国際線ターミナルを8月下旬に訪れた。ふだん取材している関西国際空港と比べて「あれ、雰囲気が違う」と感じた。平成22年に供用を開始した気持ちの良いターミナルだが、関空のような熱気が伝わってこない。

 それもそのはず、国内線を中心に日本最大の旅客数を抱える羽田だが、30年度の国際線旅客数は約1834万人で、関空(約2289万人)の約8割にとどまる。政府は来年の東京五輪・パラリンピックを控え、羽田の国際線発着枠を3月から拡大するので、ターミナルも様相を変えるかもしれない。

 一方、関空はすでに満杯に近い。スーツケースを何個も押し、次の目的地に急ぐ外国人の家族連れであふれかえっている。今年度の国内線を含む総旅客数は3千万人を突破する勢いだが、現在の受け入れ能力は年間約3335万人で限界に来ている。

 運営する関西エアポートは第1ターミナルを約1千億円かけて改修し、2025(令和7)年大阪・関西万博までに受け入れ能力を約4300万人に拡大する計画だ。

 ただ、規模が小さい第2ターミナルの拡張、遊休地を活用した「第3ターミナル」の新設という、抜本的な機能強化を求める意見も強い。ある航空会社の関係者は「長期的視点で能力の拡大を急いでほしい」と話す。関西エアの山谷佳之社長は「必要なものはきちんと投資していく」と第3ターミナル建設に意欲を示しながらも、巨額な投資が必要になることから「この時期に必要だというのは、まだ言い切れない」と慎重だ。

 関西を訪れる外国人は全国を上回る率で増えており、令和12年には現在の約2倍の2400万人を超えるとの見通しがある。統合型リゾート施設(IR)の大阪誘致が成功すれば、さらにふくらむと予想される。現在の日韓関係など政治や経済の混乱によるマイナスの影響は排除できないが、長い目で見れば観光需要は伸び続けるだろう。インフラ投資を段階的にせよ進める以外に選択肢はない。

 関空は羽田や成田、中部国際空港だけでなく海外の空港との競争にさらされている。投資の出遅れは、せっかくの旅客を奪われることになりかねない。関西エアの判断に注目していきたい。

【プロフィル】牛島要平

 平成12年入社。大阪経済部、神戸総局などを経て、27年5月から経済部でゲーム業界や財界などを担当。今年5月から関西空港支局長。

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