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【日本人の心 楠木正成を読み解く】第3章 維新回天の原動力(8)「公」に生きた非情の宰相

 大阪府四條畷(しじょうなわて)市にある正成の嫡男(ちゃくなん)、正行(まさつら)(小楠公)の墓所。7・5メートルもある碑に刻まれた「贈従三位(じゅさんみ)楠正行朝臣之墓」は、大久保の揮毫(きごう)によるものだ。

 〈小楠公の威霊を汚してはいけない〉

 大久保が税所に宛てた手紙に、こんな言葉が出てくる。「揮毫の依頼を受けたものの納得がいく字が書けず、小楠公に申し訳ない。もう少し待ってほしい-と綴っています」

 崎山氏はそう話す。大久保がいかに楠公父子を敬慕していたかを物語るエピソードである。

 大久保は、政府の最高実力者となってからも、「公」に尽くした正成の精神を実践するかのように、国を豊かにすることに心を砕いた。その一つが福島県郡山市の安積疏水(あさかそすい)の開削だ。

 大久保の遺徳をたたえ建立された大久保神社では毎年9月1日、「大久保様の水祭り」が行われる。

 創建130周年を迎えた今年、原口氏が会長を務める鹿児島の有志団体が、石灯籠2基を寄贈した。平成28年には、一連の開拓の歴史が「未来を拓いた『一本の水路』~大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡」と題され、日本遺産に認定された。

 家臣や領民のため、後醍醐(ごだいご)天皇の理想の実現に命をかけた正成。片や国家や国民を思い、殖産興業を推し進めた大久保。共通点は、私心がなかったことだ。

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