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【直球&曲球】野口健 煮えたぎるようなマグマをもう一度

 15歳の時に暴力事件を起こし、高校を停学になった。その停学中に登山家である植村直己(なおみ)さんの著書「青春を山に賭けて」と出会い、「こんな僕でも植村さんのように一つのことをコツコツと積み重ねれば何かができるのかもしれない」と、この世界に飛び込んで約30年になる。

 最初の目標は7大陸最高峰世界最年少登頂へのチャレンジ。それからエベレストや富士山の清掃活動をスタート。野口健環境学校開設やシェルパ基金、ヒマラヤ山間部での学校建設や森林再生プロジェクトなど、気がつけば活動は多岐にわたった。

 3歩進んでは2歩後退し、ガッカリすることもあったが、最初の1歩は残っている。そこから再スタートすれば少しずつでも前へ前へと進める。そんな30年間を振り返りつつ、ふと感じることがある。あの学生時代のような虫眼鏡で1点をジリジリと焦がすような情熱が自分の中にまだ残っているのだろうかと。

 雪崩の後遺症で頸椎(けいつい)を痛め、数年間は日常生活すら不自由した時期もあった。40歳を過ぎてからは蓄積された疲労が出てきたのか体の至る所が故障。肉体的な不調が続けば精神も乾かしてしまう。

 だが、確かにグツグツと煮えたぎるようなマグマは自分の中に存在していたはずだ。なぜ分かるのか。それはあのヒリヒリとする感覚を脳が完全に記憶しているからだ。

 「夢を持つこと」「挑戦をすること」は同時にリスクを背負うこと。人の役にも立たない山登りなどはたから見れば単なる火遊びと映るかもしれない。しかし、脳がその火遊びを求めてしまう。

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