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【一筆多論】北朝鮮、外貨奪取へ飽くなき企て 内畠嗣雅

韓国のパジュ市から国境を隔てて見える北朝鮮の国旗掲揚塔=2018年4月(AP)
韓国のパジュ市から国境を隔てて見える北朝鮮の国旗掲揚塔=2018年4月(AP)

 北朝鮮が金融機関や暗号資産(仮想通貨)交換業者にサイバー攻撃を仕掛け、20億ドル(約2100億円)を獲得した。国連安全保障理事会で北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する専門家パネルが、近く公表する中間報告書でこう分析しているという。いくら禁輸を徹底しても、外貨の不正奪取をやめさせなければ、核・ミサイルの開発資金を断つことはできない。

 調査対象としたサイバー攻撃は35件に上り、韓国やインド、チリなど17カ国にまたがった。攻撃は、朝鮮人民軍偵察総局の指揮下で行われ、海外派遣のIT技術者も関与している。マネーロンダリング(資金洗浄)もサイバー空間を利用して行われているという。報告書は、人材養成にも触れ、非常に若い年齢で人材を選抜し、特別な訓練を施していると指摘している。

 専門家パネルは今年3月に公表した2018年の年次報告書で、サイバー攻撃による外貨獲得に言及した。5回の攻撃で5億7100万ドル(約600億円)を奪取したとし、攻撃対象には、日本の交換業者「コインチェック」の流出事件も含まれていた。北朝鮮の資金調達におけるサイバー攻撃の比重が高まっているという。サイバー攻撃はより広範となり、洗練されつつあるとみるべきだ。

 北朝鮮の外貨不正奪取の主力は偽札の製造だった。1990年代半ばごろ、米専門家でも見分け困難な精巧な偽米ドル札が出回り、国際的な問題となった。北朝鮮は外国から最新の印刷設備と特殊インクを導入し、偽造技術を磨き、作業にあたる従業員は特別待遇を受けた。当時、亡命者らにより明かされたその実態は、国家一丸になっての外貨不正奪取の企てだったが、その熱意が今、サイバー攻撃に向けられているかのようだ。

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