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【日曜に書く】論説委員・別府育郎 「オン・ボクシング」

◆井上尚弥

 ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級の決勝戦が11月7日、さいたまスーパーアリーナで、WBA、IBF同級王者の井上尚弥と、元5階級王者でWBA同級スーパー王者のノニト・ドネア(フィリピン)の間で行われる。WBSSは世界の主要団体王者らが階級最強を争うトーナメントで、バンタムの決勝は真にファンが待ち望む最高のカードとなった。

 衝撃は5月18日、英グラスゴーで行われた準決勝だった。WBA王者の井上は、IBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を2回1分19秒TKOで下した。

 井上もロドリゲスも無敗の現役世界王者だったが、2回開始早々に井上の左フックがロドリゲスのあごをとらえて最初のダウン。2度目はボディーブローに倒れ、3度目のダウンでセコンドを振り返るロドリゲスの表情には、恐怖のみが張りついていた。

 戦慄のシーンに、英国のボクシングファンも熱狂した。中継を見ながら浮かんだのは、米国の女流作家、ジョイス・キャロル・オーツの名著「オン・ボクシング」の一節だった。

 「ボクシングのマッチの観衆は、人間という種が、極めて残忍だったその揺籃(ようらん)期を再び生きているのである」

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