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【記者発】履正社の全国制覇に思う 大阪運動部・丸山和郎

優勝旗などを手に校舎に入る履正社の選手ら=豊中市
優勝旗などを手に校舎に入る履正社の選手ら=豊中市

 令和最初の高校野球は履正社(大阪)の全国制覇で幕を閉じた。決勝戦はプロ注目右腕の奥川恭伸(やすのぶ)投手を擁する星稜(石川)に分があるのではないかと思っていたが、予想は外れ、履正社打線が奥川投手から5点を奪って勝利。初優勝で感涙にむせぶ岡田龍生(たつお)監督の姿が印象的だった。

 約2年半前、同校の部室で岡田監督にインタビュー取材をしたことがある。大阪本社発行の夕刊1面で連載していた「関西の力」の取材の一環で、大阪が多くのスター選手を生み、野球王国と呼ばれる理由を探るのが目的だった。

 高校野球の世界では、激戦区の大阪を離れ、別の都道府県から甲子園を目指す球児も多い。今夏の出場校では八戸学院光星(青森)や石見智翠館(いわみちすいかん)(島根)などが関西出身者が多い。岡田監督は「関西の子供は、他の地方に比べて貪欲。絶対に甲子園に出るという覚悟を持って親元を離れるから、結果に結びついているのかもしれないね」と分析していた。

 メジャーリーガーへ羽ばたいたダルビッシュ有投手(カブス)や田中将大投手(ヤンキース)も関西出身。高校時代から甲子園のマウンドで闘志あふれる姿をみせ、ファンを沸かせてきた。ただ、酷暑の日が続いた今夏の甲子園では投手の負担軽減が大きなテーマになり、全試合完投するような絶対的なエースは少なくなった。時代の移り変わりとともに、高校野球も大きな転換期を迎えている。

 高校野球の部員数は減少が続き、日本高等学校野球連盟の統計では平成26年の17万312人をピークに、今年は14万3867人に減っている。それを“野球離れ”という言葉で片付けるのは早計だろう。甲子園は連日、早朝から入場券を求めるファンの列が駅まで続いていた。甲子園が球児のあこがれの場所であり続ける限り、令和の時代も野球人気は不滅のはずだ。

 2月のプロ野球キャンプのの際に沖縄で岡田監督に会ったこともある。同校OBの選手を気にかけ、激励して回っていたのだ。「まだそんなにOBが多くはないんでね。何とか回れますよ」。履正社出身の現役選手はヤクルトの山田哲人内野手やオリックスのT-岡田外野手ら8人。甲子園で育った選手がプロで活躍する姿をもっと見たい。

【プロフィル】丸山和郎

 平成10年入社。16年から東京運動部でプロ野球巨人、20年から大阪運動部で主にプロ野球阪神や陸上競技を担当。夏季五輪を2度取材した。

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