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【主張】INF条約失効 中国は軍縮交渉に応じよ

 米国とロシアの2国間条約である中距離核戦力(INF)全廃条約が2日、失効した。

 核軍縮の主要条約の一つが姿を消したのは残念だが、中国の軍事力拡大という新しい事態を踏まえ、同国を含む新たな核軍縮の枠組みづくりが求められている。

 条約失効に至った直接の原因はロシアの条約違反だ。米国は、ロシアが配備した地上発射型巡航ミサイルが条約違反だと指摘し、2月に条約破棄を通告したが改善が見られなかった。

 プーチン政権は、核魚雷や原子力推進の巡航ミサイルの開発も進めている。共産主義を捨てたはずのロシアが、旧ソ連時代と同様、核戦力で米国に対抗しようとしているのは異常である。

 条約失効の背景には、一層大きな安全保障環境の変化がある。条約に縛られない中国が、ミサイル戦力を一方的に増強したことである。中国が、米露だけの軍縮の枠組みを崩してしまった。

 INF条約は、米国と旧ソ連(現ロシア)が東西冷戦下の1987年に締結した。射程500~5500キロの地上発射型弾道・巡航ミサイルの製造と保有を禁じた。中国は、条約で米国が持てない中距離ミサイルを多数配備している。

 米ソ両国が圧倒的な優位を誇った東西冷戦期と、中国が台頭した現在は全く異なる。中国を加えなければ、実効性ある核軍縮の枠組みとはなり得ない。

 米露は6月、中国を加えた交渉の必要性で一致した。河野太郎外相は7月、INF条約失効後は、中国を含む国連安保理常任理事国5カ国が新たな核軍縮の枠組みを議論すべきだと提唱した。

 ところが、中国は「米露の核軍縮が先だ」として、話し合いに加わることを拒んでいる。

 核弾頭数は米露より少ないというが、中国が交渉に背を向ける理由にはならない。直ちに応じるべきだ。中国はそもそも、核弾頭に関する情報公開をしていない。INF条約に加わっていれば違反に当たる中距離、準中距離ミサイルを多数保有し、これらは日本にも向けられている。

 日本政府が国民の生命を守るため取り組むべきことがある。核軍縮を核保有国に働きかけることと、対中、対露核抑止態勢を充実させるために米国と協議を進めることである。

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