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【石平のChina Watch】異変うかがわせた「李鵬告別式」

 これはどう考えても異常事態である。中国共産党政権内の慣例からしても、中国社会の一般的な常識からも、朱氏や温氏が、先輩首相の李鵬氏の告別式に顔を出すのは最低限の礼儀であるからだ。

 この2人の健在は今年になってからも確認されている。告別式の不参加は、さまざまな臆測を呼ぶような意外な行動であった。

 つまり、江沢民氏を除いた政権内の長老格である胡錦濤・朱鎔基・温家宝の3氏がそろって告別式に参加しなかったのは、事前のすり合わせによる「ボイコット」である可能性が十分に考えられる。

 朱氏と温氏の2人は在任中、改革・開明派として知られたから、保守派・強硬派の色彩の強い先輩首相の李鵬氏に、この2人が反感を持つのも不思議なことではない。

 しかしそれだけでは、党内のしきたりや慣例に反して告別式の参加を拒否した2人の行動を解釈できない。現在でも一定の政治的影響力を持つ長老の胡・朱・温氏の3人がそろって李鵬告別式をボイコットしたのであれば、そこには必ず、何かの政治的意図があるはずだ。

 一つの可能性として考えられるのは、習近平政権が李鵬氏の訃告(ふこく)において天安門民主化運動の鎮圧に当たった李鵬氏の「功績」を高く評価したことに対し、上述の3人の長老が告別式の不参加をもって「不満と反対」を表明しようとしたことだ。

 そして、中国の政治文化において、このような不満と反対の表明はそのまま現実の政治にも向けられる。つまり胡錦濤氏ら長老たちはこのような形で、鎮圧も辞さないという、香港デモに対する習近平政権の強硬姿勢を暗に批判し、反対の立場を鮮明にしたのである。

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